
「うちの子、もう少し粘り強ければ…」「自分の頭で考える子になってほしい」そう願う保護者の方は多いのではないでしょうか。
これからの時代に不可欠な「やり抜く力」と「思考力」。
この二つの力は、実は密接に関係し合っています。
この記事では、なぜ今これらの力が必要なのか、そしてご家庭でどのように育んでいけば良いのか、具体的な関わり方や習慣を分かりやすく解説します。
学校の勉強だけでは得られない、お子様の一生の財産となる力を育むためのヒントが満載です。
将来、お子様が困難な壁にぶつかった時も、自分の力で乗り越えていける。
そんなたくましい子に育てるための第一歩を、ここから始めてみませんか。
なぜ今「やり抜く力」と「思考力」がこれほど注目されるのか?
AIが進化し、社会が大きく変わろうとしている今、ただ知識を覚えるだけでは通用しない時代がやってきます。
そこで重要になるのが、困難なことにも粘り強く取り組む「やり抜く力」と、自分の頭で答えを導き出す「思考力」です。
この二つの力は、これからの時代をお子様が自分らしく、たくましく生きていくための土台となります。
中学受験はもちろん、その先の長い人生を見据えたとき、この本質的な力を小学生のうちにどう育んでいくかが、未来を大きく左右する鍵となるのです。
変化の激しい未来を生き抜くために本当に必要な力とは
今まで当たり前だった仕事がなくなったり、新しい技術が次々と生まれたりするでしょう。
そんな変化の激しい時代では、決められた正解を素早く答える能力よりも、未知の課題に対して自分なりの答えを見つけ出そうとする力、つまり「思考力」が求められます。
そして、その過程で困難にぶつかっても諦めずに挑戦し続ける「やり抜く力」がなければ、新しい価値を生み出すことはできません。
この二つは、未来をたくましく生き抜くための車の両輪のようなものなのです。
学校の成績だけでは測れない「非認知能力」の重要性
一方で、「やり抜く力」や協調性、自制心といった、数値化しにくい内面的な力は「非認知能力」と呼ばれ、近年その重要性が世界的に注目されています。
この非認知能力は、学力や将来の成功に大きな影響を与えることが研究で分かってきました。
特に、目標に向かって努力し続ける「やり抜く力」は、非認知能力の中核とも言える要素です。
学校の成績ももちろん大切ですが、それだけでは見えないお子様の力を育む視点が、これからは不可欠になります。
中学受験やその先の学びにどう影響するのか
初見の問題に対しても、諦めずに粘り強く考え、答えへの道筋を立てる力、まさに「やり抜く力」と「思考力」が試されるのです。
この力は、受験という短期的な目標のためだけではありません。
中学、高校、大学、そして社会に出てからも、学び続ける姿勢や困難を乗り越える力の基礎となります。
小学生の時期にこの土台をしっかりと築いておくことが、お子様が将来、自らの力で学びを深め、夢を実現していく上で非常に大きな財産となるでしょう。
「やり抜く力」の正体とは?ただの根性論で終わらせないために
しかし、本来の意味は少し違います。
それは、自分が「こうなりたい」「これを達成したい」という情熱に基づいた長期的な目標を持ち、それに向かって粘り強く努力を続ける力のことです。
単に我慢を強いるのではなく、子供の内側から湧き出る「やりたい」という気持ちが原動力となります。
この力を正しく理解し、お子様の興味関心と結びつけながら育んでいくことが、本当の意味で子供を成長させることに繋がるのです。
目標に向かって粘り強く努力する心の育て方
例えば、「毎日計算問題を1ページやる」「漢字を5つ覚える」など、具体的で少し頑張ればできる目標が良いでしょう。
そして、それを達成できたら、結果だけでなく「毎日コツコツ頑張れたね」と努力の過程を褒めてあげてください。
この小さな成功体験の積み重ねが、「自分はやればできる」という自信に繋がり、より大きな目標にも挑戦しようとする意欲の源泉となります。
親が焦らず、子供のペースに合わせて伴走する姿勢が大切です。
失敗を恐れず、次の一歩を踏み出すしなやかな回復力
そんな時、「もうダメだ」と諦めてしまうのではなく、「どうしてうまくいかなかったんだろう?」「次はこうしてみよう」と考え、再び挑戦できる力も「やり抜く力」の重要な要素です。
このしなやかな回復力を育むには、ご家庭が「失敗しても大丈夫」と感じられる安心できる場所であることが不可欠です。
失敗を責めるのではなく、「良い経験になったね」「次はどうすればうまくいくか一緒に考えよう」と声をかけ、挑戦したこと自体を認めてあげましょう。
子供の「好き」や「得意」がやり抜く力の原動力になる
昆虫に詳しい、絵を描くのが好き、パズルが得意など、お子様の「好き」や「得意」こそが、「やり抜く力」を育む最高の教材です。
まずは、その興味関心を存分に追求させてあげましょう。
その中で、子供は自ら課題を見つけ、工夫し、最後までやり遂げる喜びを学びます。
一見、勉強とは関係ないように思えることでも、そこで培われた集中力や粘り強さは、必ず勉強にも生きてくるのです。
お子様の「好き」を応援することが、全ての力の入り口になります。
物事の本質を見抜く「思考力」はどうやって育まれるのか
持っている知識や情報を使って、物事を整理したり、筋道を立てて考えたり、新しいアイデアを生み出したりする力のことです。
これからの時代、情報はインターネットなどで簡単に入手できます。
だからこそ、その情報を鵜呑みにせず、「本当にそうなのかな?」と自分の頭で吟味し、自分なりの答えを導き出す力が重要になります。
この力は一朝一夕に身につくものではなく、日々の生活の中での意識的な働きかけを通じて、少しずつ育まれていくものなのです。
知識を覚えるだけではない「深く考える」ことの本当の意味
それに対して「なぜその出来事が起こったのか」「この公式はどんな現象に応用できるのか」と背景や繋がりまで考えることが「思考」です。
深く考える習慣を身につけるには、一つの事柄を多角的に見る癖をつけることが大切です。
ニュースを見ながら「なぜこんなことが起きたんだろうね?」と問いかけたり、物語を読んだ後に「もし君が主人公だったらどうする?」と尋ねてみたり。
日常の出来事を題材に、親子で対話する時間を持つことが、深く考える訓練の第一歩となります。
「なぜ?」を親子で繰り返すことで養われる探究心
この知的な好奇心こそが、思考力を伸ばす最大のチャンスです。
子供からの質問を「忙しいから後で」と遮ったり、「そういうものなの」と安易に答えたりせず、ぜひ一緒に考える時間を作ってみてください。
「お母さんも不思議だな、一緒に調べてみようか」と寄り添う姿勢が、子供の探究心をさらに引き出します。
すぐに答えが見つからなくても構いません。
親子で「なぜ?」を繰り返し、考える過程そのものを楽しむ経験が、粘り強く物事の本質を探求する力を育むのです。
物事を多角的に見るための柔軟な発想のトレーニング
例えば、一つの段ボール箱を見て「物を入れる箱」と考えるだけでなく、「お家や秘密基地にできるかな」「乗り物にも変身させられるかも」「切ってお面や盾を作ったら楽しそう」など、全く違う役割を想像してみるのも良い訓練です。
しりとりや連想遊び、物語の続きを創作するような言葉遊びも、発想を豊かにするのに役立ちます。
決まった正解のない問いについて考える遊びを通して、子供の頭は柔らかくなり、固定観念にとらわれない自由な発想力が育まれていきます。
実は密接な関係!「やり抜く力」が「思考力」を伸ばす仕組み
これらは別々の能力のように思えるかもしれませんが、実は互いに深く影響し合い、支え合っています。
難しい問題に直面したとき、すぐに諦めてしまっては、じっくり考える段階にすら進めません。
また逆に、ただ闇雲に時間をかけるだけでも、問題は解決しません。
粘り強く挑戦する「やり抜く力」があるからこそ、思考を深める時間が生まれ、試行錯誤の中から解決策を見出す「思考力」が発揮されるのです。
この二つの力をバランスよく育むことで、お子様は本当の意味での「問題解決能力」を身につけることができます。
難しい問題に立ち向かう姿勢が「考える体力」を鍛える
しかし、そこで「もう少し考えてみよう」と粘る経験こそが、「考える体力」を鍛える絶好の機会です。
スポーツで筋肉を鍛えるのと同じように、脳も使うことで成長します。
最初は5分しか集中できなかったのが、繰り返すうちに10分、15分と粘れるようになります。
「やり抜く力」が、この考えるための土台となる体力を養ってくれるのです。
難しいと感じる問題から逃げずに向き合う姿勢そのものが、思考力を伸ばす上で非常に重要なのです。
試行錯誤の経験が、粘り強さと論理的な考えを育む
「この方法ではダメだったから、次はこうしてみよう」「なぜこのやり方だと失敗したんだろう」と、自分の考えを振り返り、修正していく過程。
この繰り返しが、粘り強さを育むと同時に、「原因と結果」や「仮説と検証」といった論理的な考え方を自然と身につけさせてくれます。
「やり抜く力」を持って試行錯誤を続ける経験は、「思考力」を実践的に鍛えるための最高の訓練と言えるでしょう。
一つのことをやり遂げた達成感が次の知的な挑戦へ繋がる
この「自分の力でやり遂げた」という喜びの経験は、何物にも代えがたいものです。
そして、この成功体験は「次も頑張ってみよう」「もっと難しいことに挑戦したい」という、さらなる知的な挑戦への意欲を引き出します。
「やり抜く力」によって得られた達成感が、学ぶことの楽しさを教え、「思考力」を働かせることへの動機付けとなるのです。
この好循環を生み出すことが、子供を自律した学習者へと成長させます。
小学生の二つの力を伸ばす!保護者ができる日々の関わり方
特別な教材や英才教育が必要なわけではありません。
日々の何気ない会話や、子供への接し方を少し意識するだけで、お子様の力を引き出すきっかけはたくさんあります。
大切なのは、子供を管理するのではなく、その子の持っている可能性を信じ、良き伴走者となることです。
ここでは、明日からすぐに実践できる、保護者の具体的な関わり方のヒントをいくつかご紹介します。
お子様の健やかな成長をサポートしていきましょう。
結果だけでなく、頑張った過程を具体的に褒めることの重要性
しかし、それ以上に大切なのは、結果に至るまでの努力の過程に目を向けてあげることです。
「毎日コツコツ勉強していたもんね」「難しい問題も諦めずに考えていたの、見ていたよ」など、具体的に褒めてあげましょう。
そうすることで、子供は結果だけでなく、努力すること自体の価値を学びます。
たとえ結果が伴わなかったとしても、頑張った過程を認められる経験が、次の挑戦への勇気と「やり抜く力」を育むのです。
子供の「知りたい」という気持ちを上手に引き出す質問術
ただし、「これは何?」といった知識を問う質問ばかりでは、考える力は育ちにくいものです。
おすすめなのは、「どうしてそう思うの?」「もし〇〇だったらどうなるかな?」「何か他に方法はないかな?」といった、答えが一つではない開かれた質問です。
このような質問は、子供に自分の考えを言葉にする機会を与え、物事を深く、多角的に見るきっかけを作ります。
子供の「知りたい」という好奇心を刺激し、対話を通して思考を深めていく手助けをしてあげましょう。
ついやってしまいがち?子供の成長を妨げるNG言動とは
例えば、子供が困っているとすぐに手や口を出してしまう「先回り」。
これは、子供が自分で考えて失敗から学ぶ機会を奪ってしまいます。
また、「お兄ちゃんなんだから」「前も言ったでしょ」といった、他の子と比較したり、過去の失敗を責めたりする言葉も、子供の自己肯定感を下げ、挑戦する意欲を削いでしまいます。
子供の力を信じて「見守る」勇気を持つこと、そして子供自身をありのまま認めてあげることが、健やかな成長の土台となります。
毎日の生活にプラスしたい!二つの力を育むための小さな習慣
むしろ、毎日の生活の中に根付いた小さな習慣こそが、子供の力を着実に伸ばしていきます。
例えば、お手伝いや身の回りのことを自分でやらせることも、責任感ややり遂げる力を育みます。
大切なのは、継続することです。
ここでは、ご家庭で気軽に始められる、お子様の力を育むための習慣をご紹介します。
できそうなことから一つでも取り入れて、楽しみながら続けてみてください。
すぐに答えを教えず、子供にじっくり考えさせる時間を与える
大切なのは、「どこがわからないの?」「どう考えたの?」と問い返し、子供の思考の過程を整理してあげることです。
そして、ヒントを少しずつ与えながら、子供自身の力で答えにたどり着けるように導いてあげましょう。
たとえ時間がかかっても、自分で考え抜いて答えを出した経験は、大きな自信になります。
「待つ」という姿勢が、子供の思考力を育む上で非常に重要なのです。
親子で楽しむ対話や、頭を使う遊びの時間を大切にする
子供は、頭の中で出来事を整理し、言葉を選んで相手に伝えようとします。
また、しりとりやなぞなぞ、ボードゲームやカードゲームといった、頭を使う遊びもおすすめです。
ルールを理解し、先を読み、戦略を立てる過程は、論理的な思考力や問題解決能力を楽しみながら養うことができます。
スマートフォンやテレビの時間を少し減らし、親子で顔を合わせて対話し、遊ぶ時間を意識的に作ってみましょう。
小さな目標設定と振り返りで、着実な成功体験を積ませる
そのために、まずは「縄跳びを10回連続で跳ぶ」「本を1冊最後まで読む」など、少し頑張れば達成できる具体的な目標をお子様と一緒に立ててみましょう。
そして、目標が達成できたら、どうしてうまくいったのかを一緒に振り返ります。
「毎日練習したからだね」「最後まで諦めなかったのが良かったね」と成功の要因を言葉にすることで、子供は目標達成の方法を学びます。
この「計画→実行→振り返り」の小さな循環を繰り返すことが、自己肯定感を高め、粘り強さを育んでいきます。
溌剌塾からのアドバイス
大切なのは、結果を急がず、お子様一人ひとりの成長を温かく見守ることです。
ご家庭での小さな工夫や声かけが、お子様の未来を支える大きな力になります。
もし、専門家の視点からの手助けが必要だと感じたら、一人で悩まずに相談することも一つの方法です。
お子様が本来持っている「学びたい」という気持ちを引き出し、自ら考え、挑戦する楽しさを知ることが、一生の財産となるでしょう。
お子様の可能性を信じ、一緒に歩んでいきましょう。
Q&A(このような質問を受けることがあります)
A:はい、育ちます。
まずは、お子様が本当に好きなこと、夢中になれることを見つけるのが近道です。
短い時間でも集中できれば、その頑張りを認め、少しずつ目標を伸ばしていきましょう。
無理強いせず、楽しい経験を積ませることが大切です。
Q:「思考力」を鍛えるには、難しい問題をたくさん解かせるべきですか?
A:量をこなすことよりも、一つの問題にじっくり向き合う経験の方が重要です。
なぜそうなるのかを考えたり、別の解き方を探したりする過程で思考力は深まります。
お子様のレベルに合った、少し考えれば解ける良問に丁寧に取り組ませましょう。
Q:親が勉強を教えると、つい感情的になってしまいます。どうすれば良いですか?
A:多くのご家庭が抱えるお悩みです。
まずは「教える」のではなく「一緒に考える」という姿勢に切り替えてみましょう。
それでも難しい場合は、学習のことは塾など外部の専門家に任せ、ご家庭では安心できる場所作りに徹する、という役割分担も有効です。
Q:共働きで忙しく、子供と向き合う時間がなかなか取れません。
A:時間の長さよりも質が大切です。
一日15分でも良いので、スマートフォンなどを置いて、お子様の話を真剣に聞く時間を作りましょう。
「今日は何があった?」と聞くだけでも、子供は自分に関心を持ってくれていると感じ、自己肯定感が育まれます。
Q:ゲームばかりしているのですが、思考力は低下しますか?
A:一概にそうとは言えません。
ゲームの種類によっては、戦略を考えたり、問題を解決したりする力が養われるものもあります。
大切なのは、時間やルールを決めて、上手に付き合うことです。
ゲームの内容について親子で話してみるのも良いでしょう。
Q:子供の自己肯定感が低いように感じます。どうすれば高められますか?
A:結果だけでなく、努力の過程を具体的に褒めることが大切です。
また、お子様の話を最後まで聞き、意見を尊重してあげましょう。
「あなたはそのままで素晴らしい」というメッセージを伝え続けることで、安心感が生まれ、自己肯定感が高まります。
Q:学校の宿題以外に、どんな学習をさせれば良いですか?
A:まずは学校の宿題を完璧にすることが基本です。
その上で余力があれば、お子様が興味を持つ分野の図鑑を読んだり、パズルや実験キットで遊んだりするのも良いでしょう。
「勉強」と構えず、知的好奇心を満たす活動を取り入れるのがおすすめです。
Q:つい他の子と比べてしまい、焦ってしまいます。
A:お子様の成長のペースは一人ひとり違います。
比べるべきは、他の誰かではなく「過去のお子様自身」です。
「昨日より漢字が一つ多く書けるようになったね」というように、お子様自身の成長に目を向けて認めてあげましょう。
Q:「なぜ?」と聞いても、子供が「わからない」としか言いません。
A:考えることに慣れていないのかもしれません。
まずは「AとB、どっちだと思う?」のように選択肢を与えたり、「お母さんはこう思うけど、どうかな?」と親の考えを話したりして、意見を言いやすい雰囲気を作ってあげることから始めてみてください。
Q:親がしてはいけない最も重要なことは何ですか?
A:おお子様の挑戦する意欲を奪うことです。
「どうせあなたには無理」といった否定的な言葉や、失敗を過度に責めることは避けましょう。
お子様の可能性を信じ、いつでも安心して挑戦できる「安全基地」でいてあげることが、何よりも大切です。
投稿者プロフィール

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趣味:①コーヒー(毎朝どころか、1日に3〜4回ドリップ)
②露天風呂の大きな温泉(若い頃は硫黄泉が大好き→最近はアルカリ性でもOK)
③テニス(2度のぎっくり腰で、お休み中)
特技:①ガニ股(270°まで開く?)
②しゃがむと膝がポキポキ鳴る(ヒアルロン酸不足?)
③男の料理(なんちゃってスパイスカレー?)