
「またゲームばかりして…勉強はどうするの?」
スマホやゲームに夢中な我が子を見て、そんな不安を感じていませんか。
子どもの将来を思うからこそ、考える力を伸ばしてあげたいと願うのは当然のことです。
もし、そのゲームへの熱中が、実は思考力をぐんぐん伸ばすきっかけになるとしたらどうでしょう。
この記事では、教育の専門家の視点から、ゲームが子どもの思考力を高める仕組みと、その力を本物の学びに変えるための具体的な関わり方について解説します。
ゲームとの付き合い方を見直すことで、親子の会話が変わり、子どもの未来が大きく開けるかもしれません。
「ゲームは時間の無駄」はもう古い?思考力が高い子の驚くべき共通点
かつてゲームは勉強の敵と見なされがちでした。
しかし、時代は大きく変わり、今やゲームに夢中になる経験が、子どもの「考える力」を大きく伸ばす鍵になることが分かってきました。
変化の激しいこれからの社会では、知識を覚えるだけでなく、自ら課題を見つけ、解決策を考える力が不可欠です。
実は、思考力がぐんぐん伸びる子には、ゲームとの上手な付き合い方という共通点があるのです。
ゲームをただ取り上げるのではなく、その熱中を未来を生き抜く力に変えるヒントを探っていきましょう。
スマホやゲームに対する親世代の思い込み
当時はまだ、ゲームが持つ教育的な側面に光が当たることは少なく、熱中する我が子を前に、不安を感じるのも自然なことでした。
しかし、その認識は少しずつ変わりつつあります。
現代のデジタル社会において、スマホやゲームは子どもたちにとって当たり前の道具です。
昔の価値観のままでいると、子どもの持つ可能性の芽を摘んでしまうかもしれません。
まずは私たちの思い込みを一度横に置いてみませんか。
なぜ今「自分で考える力」がこんなに大切なのか
そんな未来を生きる子どもたちに必要なのは、言われたことを正確にこなす能力だけではありません。
前例のない問題に直面したとき、自分の頭で考え、最適な答えを導き出す力、つまり「思考力」が何よりも重要になります。
中学受験やその先の学習においても、単なる暗記問題は減り、思考力を問う問題が増加傾向にあります。
今、この力を育むことが、お子さんの将来の選択肢を広げ、人生を豊かにするための土台となるのです。
「遊び」と「学び」の垣根がなくなりつつある現代
子どもたちは、ゲーム感覚で楽しく学べる教材を通じて、知らず知らずのうちに複雑な課題に取り組んでいます。
これは、子どもたちの好奇心を刺激し、主体的に学ぶ姿勢を育む上で非常に効果的です。
このように、「遊び」と「学び」の境界線はどんどん曖昧になってきています。
子どもが何かに夢中になっているときこそ、実は最も多くのことを吸収している時間なのかもしれません。
夢中になるのには訳がある!ゲームが思考力を育む仕組み
実はゲームの構造そのものに、思考力を自然と鍛えるための優れた仕組みが隠されています。
例えば、うまくいかなくても何度も挑戦するうちに、粘り強さや問題解決の糸口を見つける力が養われます。
また、限られた資源をどう使うか計画を立てたり、複雑な情報を整理して最適な判断を下したりと、ゲームの世界はまさに思考力の訓練の場です。
子どもたちは遊びながら、知らず知らずのうちに、将来役立つ大切な力を身につけているのです。
失敗から学ぶ力:試行錯誤で問題解決能力が身につく
しかし子どもたちは、なぜ失敗したのかを自分で考え、次はどうすればうまくいくかを工夫します。
この「挑戦→失敗→分析→再挑戦」という繰り返しこそが、思考力を鍛える上で非常に重要です。
うまくいかないことから目をそらさず、粘り強く解決策を探す力は、勉強や将来の仕事で困難に直面したときにも必ず役立ちます。
ゲームの中での小さな成功体験の積み重ねが、諦めずに物事に取り組む姿勢を育んでくれるのです。
戦略を立てる力:ゴールから逆算して計画を立てる練習
どのアイテムを先に手に入れるか、どの仲間と協力するか、どの道を進むのが効率的か。
子どもたちは、目標から逆算して今やるべきことを判断する訓練を自然と行っています。
これは、テスト勉強の計画を立てたり、将来の夢を実現するための道筋を考えたりする力に直結します。
遊びの中で、段取りを考え、見通しを立てるという高度な思考を繰り返しているのです。
情報を整理する力:複雑なルールやデータを使いこなす
子どもたちは、それらの複雑な情報を瞬時に整理し、状況に応じて必要なものを選び出し、勝利という目標のために活用します。
この能力は、社会の授業で歴史の年表を読み解いたり、理科の実験で結果を考察したりする力と根本は同じです。
遊びを通して、情報処理能力や論理的に物事を考える基礎が、楽しみながら自然と身についていくのです。
親子で決めたい!ゲームの力を最大限に引き出すための3つの約束
その効果を最大限に引き出すためには、ご家庭での適切な関わり方が鍵となります。
一方的にルールを押し付けるのではなく、お子さんが納得感を持って取り組めるような環境を整えることが大切です。
ここでは、親子で話し合って決めたい3つの約束をご紹介します。
少しの工夫でお子さんのゲームとの付き合い方が変わり、遊びが本物の学びに繋がっていくのを実感できるはずです。
「時間制限」より効果的?「目的」を意識させる声かけ
そこで、「このステージをクリアするまで」「このアイテムを手に入れるまで」のように、子ども自身に目的を決めさせる方法を試してみてはいかがでしょうか。
自分で目標を設定することで、時間内にどう達成するかを考えるようになり、時間の使い方や計画性が身につきます。
「今日はどこまで進める?」という声かけが、子どもの主体性を引き出すきっかけになります。
一方的な禁止は逆効果!子どもが納得するルール作りのコツ
なぜルールが必要なのかを親子で話し合い、お子さん自身に考えさせることが大切です。
「ゲームの時間を決めないと、他にどんなことに困るかな?」と一緒に考え、双方にとって納得できる約束事を決めましょう。
自分で決めたルールであれば、責任感が生まれ、守ろうという意識も高まります。
時には失敗もあるかもしれませんが、その都度話し合い、改善していく過程そのものが子どもの成長に繋がります。
「どうすればクリアできる?」自分で答えを見つけさせる習慣
しかし、そこをぐっとこらえて、「どうすればクリアできると思う?」と質問を投げかけてみてください。
すぐに答えを与えるのではなく、子ども自身に考えさせる時間を与えることが、思考力を育む上で非常に重要です。
自分で攻略法を見つけたり、友達と情報交換したりする中で、情報収集能力やコミュニケーション能力も育まれます。
親は答えを教える人ではなく、子どもが考えるのを隣で応援する存在でいましょう。
ちょっと待って!思考力の成長を止めてしまう危険な使い方
ただ時間を費やすだけでは、その恩恵を受けることはできません。
どのような使い方が危険なのかを親子で正しく理解し、避けるべき点を共有しておくことが重要です。
ここでは、特に注意したい3つの落とし穴について解説します。
これらを知っておくことで、より安全に、そして効果的にデジタル機器とお付き合いできるようになります。
ただ動画を眺めるだけ…受け身の姿勢が癖になる
自分で考え、操作するゲームとは異なり、動画の視聴は基本的に受け身の行為です。
もちろん息抜きも必要ですが、こうした時間が習慣化すると、自分で考える前に答えを探す癖がついてしまう危険があります。
子どもが何を見ているのかに関心を持ち、「その人のどこが上手なの?」「自分ならどうする?」など、見るだけでなく考えることを促すような会話を心がけましょう。
SNSでの過度な比較が自己肯定感を下げる落とし穴
友達の華やかな投稿を見て、「自分はダメだ」と落ち込んだり、ゲームの成績を過度に競い合ったりすることで、自己肯定感が下がってしまうことがあります。
自信を失うと、新しいことに挑戦する意欲や、難しい問題に粘り強く取り組む力が削がれてしまいます。
SNSの世界だけが全てではないこと、一人ひとり良いところは違うのだということを、日頃の会話の中で伝えていくことが大切です。
終わりがないゲームが時間感覚を麻痺させる
こうしたゲームは、子どもを夢中にさせる一方で、「キリのいいところ」が見つけにくく、時間感覚を鈍らせてしまう危険性をはらんでいます。
自分で時間を管理する力が未熟なうちは、特に注意が必要です。
熱中しすぎるあまり、宿題や睡眠の時間が疎かになっては本末転倒です。
タイマーを使うなど、時間を意識させる物理的な工夫を取り入れるのも一つの有効な手段です。
ゲームで身につけた力を本物の学力へ!教科と結びつけるヒント
これらの力を遊びだけで終わらせてしまうのは非常にもったいないことです。
実は、少しの工夫でゲームで得た力を、国語や算数といった実際の教科の学びに繋げることができます。
子どもが好きなこと、夢中になっていることを入り口にすれば、苦手だった勉強にも興味を持つきっかけになるかもしれません。
ここでは、ゲームでの経験を具体的な学力へと転換させるための、ご家庭でできる簡単なヒントをいくつかご紹介します。
攻略法を文章にまとめることで国語の記述力がアップ
「どうしてこの方法が一番いいのか」を友達に説明するつもりで書くことで、物事を筋道立てて説明する力が養われます。
これは、国語の記述問題で求められる論理的な文章構成能力そのものです。
また、物語性のあるゲームのあらすじを要約したり、登場人物の気持ちを想像したりすることも、読解力を深める良い訓練になります。
アイテム管理や計算で算数的な感覚を養う
例えば、限られたお金でどのアイテムを買うのが最も効果的かを考えたり、敵に与えるダメージを計算したり。
こうした経験は、算数の文章問題で問われる「式を立てて答えを導き出す」力とよく似ています。
普段の生活の中で「ゲームのあの場面と同じだね」と結びつけてあげることで、子どもは算数がより身近で実用的なものだと感じ、学習意欲が高まることがあります。
歴史ゲームが社会科への興味の扉を開く
ゲームで知った武将や地名が教科書に出てくると、子どもは「これ知ってる!」と親近感を覚え、学習内容が頭に入りやすくなります。
ゲームで興味を持ったことをきっかけに、関連する本を一緒に読んでみたり、地図で場所を確認したりすることで、遊びから始まった興味が、より深く、体系的な知識へと発展していくでしょう。
デジタル社会を賢く生き抜くために、親として知っておきたいこと
大切なのは、それらを単純に「良い」「悪い」と判断するのではなく、どうすれば子どもの成長にとってプラスの力に変えられるかを考える視点です。
これからの予測困難な社会を、わが子が賢く、たくましく生き抜いていくために、私たち親ができることは何でしょうか。
最後に、デジタル社会における子育てで、心に留めておきたい大切なことをお伝えします。
道具に「使われる」のではなく「使いこなす」子に育てる
しかし、使い方を間違えれば、逆に道具に振り回されてしまうこともあります。
子ども自身が「自分は今、この道具を使って何がしたいのか」という目的意識を持つことが重要です。
そのためには、親が「勉強しなさい」と一方的に言うのではなく、「今日はゲームで何を達成したいの?」と問いかけるなど、子どもが自分の行動を意識するような関わりを続けることが、道具を主体的に使いこなす力を育てます。
親子の対話がネットの世界から子どもを守る最大の盾になる
子どもをそうした危険から守るために最も有効なのは、高価なフィルタリング機能よりも、日頃からの親子の対話です。
ゲームやSNSで何が流行っているのか、どんな友達と交流しているのか、困っていることはないか。
普段から何でも話せる関係を築いておくことで、子どもはトラブルに巻き込まれたときに一人で抱え込まず、親に相談することができます。
子どもの世界に関心を持つ姿勢が、何よりの安全策となるのです。
変化を恐れず、子どもの可能性を信じる姿勢
親が自分の経験だけを頼りにしていると、新しいものへの不安から、子どもの可能性を狭めてしまうかもしれません。
大切なのは、変化を恐れずに、まずは子どもの「好き」という気持ちを受け止めてあげることです。
その上で、どうすればその情熱を良い方向に導けるかを一緒に考える。
子どもの力を信じ、伴走する姿勢こそが、これからの時代を生きる子どもを育む上で最も重要なのです。
溌剌塾からのアドバイス
しかし、そのエネルギーは、見方を変えれば「自分で考える力」を育む大きな原動力になり得ます。
大切なのは、ゲームをただ禁止したり、野放しにしたりするのではなく、その遊びの中に隠された学びの要素をいかに引き出してあげるかです。
熱中できる何かを持っていること自体が、お子さんの素晴らしい個性であり、才能です。
その力を信じ、うまく学びに繋げていくことで、お子さんは自ら未来を切り拓くための確かな力を手に入れていきますよ。
Q&A(このような質問を受けることがあります)
A:はい、長時間の利用は心身に影響を与える可能性があります。
時間を区切るルール作りはもちろん、「1時間に1回は遠くを見る」「正しい姿勢でプレイする」といった具体的な約束事を親子で決め、習慣化することが大切です。
Q:思考力を鍛えるには、どんなゲームを選べば良いのでしょうか?
A:パズルゲームやシミュレーションゲーム、物語を読み解くRPGなど、戦略を立てたり、問題を解決したりする要素が多いものがおすすめです。
お子さんの興味に合わせて、一緒に選んでみるのも良いでしょう。
Q:親子で決めたルールを、子どもがなかなか守ってくれません。
A:一方的に叱るのではなく、「どうしてルールを守れなかったのか」をお子さん自身の言葉で説明させてみましょう。
ルールの設定が現状に合っていない可能性もあります。
理由を聞いた上で、再度一緒に改善策を考える機会にしてください。
Q:ゲーム内での課金について、どう考えれば良いですか?
A:まずは家庭内で「お小遣いの範囲内か」「本当に必要か」を話し合うルールを徹底しましょう。
無断での課金ができないよう、保護者による利用制限の設定を確認しておくことも重要です。
お金の大切さを学ぶ機会と捉えましょう。
Q:オンラインゲームでの、他の利用者とのトラブルが心配です。
A:「個人情報を教えない」「知らない人からの誘いには乗らない」といった基本的なネットの危険性について、日頃から話し合っておくことが不可欠です。
困ったことがあればすぐに相談できる、風通しの良い親子関係を築いておくことが最大の防御策になります。
Q:ゲームと勉強の両立は、本当に可能なのでしょうか?
A:可能です。そのためには、お子さん自身が納得する形での時間管理が鍵となります。
「宿題が終わったらゲーム」のように、やるべきこととのメリハリをつける習慣を身につけることが、両立への第一歩です。
Q:親自身がゲームに詳しくないのですが、どう関わればいいですか?
A:詳しくある必要はありません。
「どんなゲームなの?」「今どこで苦戦しているの?」とお子さんに教えてもらう姿勢で関心を示すことが大切です。
子どもは自分の好きなことを話せるだけで嬉しいですし、説明する中で思考が整理される効果もあります。
Q:ゲームの話ばかりで、他のことへの興味が薄れてしまわないか心配です。
A:まずはゲームの話を否定せずに聞いてあげましょう。
その上で、ゲームに出てきた地名や歴史上の人物について一緒に調べてみるなど、ゲームを起点として現実世界への興味を広げてあげるような関わり方が効果的です。
Q:思考力が伸びているかどうか、どのように判断すれば良いですか?
A:テストの点数のようにすぐには見えにくいですが、物事の段取りを考えたり、粘り強く問題に取り組んだりする姿が見られたら、それが成長の証です。
ゲームの攻略法を論理的に説明できるようになった、なども判断材料になります。
Q:SNSで友達と比較して落ち込んでいるようです。どう声をかければ良いですか?
A:まずは「そう感じているんだね」とお子さんの気持ちに寄り添ってあげてください。
その上で、「あなたはあなたのままで素晴らしい」「ゲームの上手さだけが価値ではない」と伝え、お子さん自身の良いところを具体的に褒めて自己肯定感を育むことが大切です。
投稿者プロフィール

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趣味:①コーヒー(毎朝どころか、1日に3〜4回ドリップ)
②露天風呂の大きな温泉(若い頃は硫黄泉が大好き→最近はアルカリ性でもOK)
③テニス(2度のぎっくり腰で、お休み中)
特技:①ガニ股(270°まで開く?)
②しゃがむと膝がポキポキ鳴る(ヒアルロン酸不足?)
③男の料理(なんちゃってスパイスカレー?)